📜言語学
『言語の普遍文法』(ノーム・チョムスキー)
🔍要点:全ての人間言語に共通する文法構造を提唱し、言語能力が生得的であるという「生成文法」理論を確立。言語を人間の認知能力と結びつけた。
『社会言語学とは何か』(ウィリアム・ラボフ)
🔍要点:言語は社会階層や地域によって変化することを実証。発音や語彙の違いを通して、言語と社会構造の関連を明らかにした。
📜文学
『物語論』(Tzvetan Todorov)
🔍要点:物語の構造を理論化し、物語の進行には「均衡→破綻→回復」の構造があると定式化。構造主義的文芸批評の礎となった。
『国文学のために』(折口信夫)
🔍要点:日本古代文学における「まれびと(客人)」概念などを通して、文学と儀礼・信仰の深い結びつきを理論化。民俗学との接続が特徴。
📜哲学
『存在と時間』(マルティン・ハイデッガー)
🔍要点:「存在とは何か」を人間の生のあり方(現存在)から問う。時間性を通して存在の意味を照らし出す現象学的転回を示した。
『言語・真理・論理』(ルドルフ・カルナップ)
🔍要点:論理実証主義を基礎づけ、形而上学的命題を無意味とし、科学的知識は検証可能な文と言語の構造から成立すると主張。
『心的エネルギー論』(ジークムント・フロイト)
🔍要点:無意識の心的装置はエネルギーの力学によって働くという仮説を提示。快原則・抑圧・昇華などの概念により人間行動の深層を探った。
📜歴史学
『歴史とは何か』(E.H.カー)
🔍要点:歴史は「事実の羅列」ではなく、歴史家の視点で構築される解釈であると提唱。歴史認識の相対性と主観性に注目。
『文明の構造と人類の運命』(トインビー)
🔍要点:歴史を「挑戦と応答」のパターンで捉える文明論を展開。文明の盛衰に共通する構造を描く壮大な歴史哲学。
📜宗教学・文化人類学
『野生の思考』(クロード・レヴィ=ストロース)
🔍要点:未開社会の神話や分類体系には独自の論理があるとし、自然と文化の二元論を乗り越える構造主義的人類学を展開。
『儀礼と象徴の人類学』(ヴィクター・ターナー)
🔍要点:「リミナリティ(境界状態)」の概念を軸に、儀礼が社会秩序や個人のアイデンティティに果たす役割を分析。